重症のスギ花粉症の方を対象とする治療法としてゾレア皮下注があります。ゾレアはアレルギーの原因となるIgEという物質に対する抗体を人工的に作って薬にしたものです。
重症のスギ花粉症の方にとって効果が期待できる治療です。治療効果の高いお薬ですが、医療費が高額で、副作用もありますので、よくご検討された上でご希望下さい。
- 対象者
- スギ花粉症が重症
- 過去に鼻噴霧用ステロイド薬・内服薬による治療を受けたが、効果が乏しい
- スギ花粉抗原に対する特異的IgE抗体がクラス3以上
- 血液中の総IgE濃度が30〜1,500 IU/mlの範囲
- 12歳以上で、体重が20〜150kgの範囲
- スケジュール
- ゾレア初回投与まで3〜4回来院して頂く必要があります。
- 1回目受診日;特異的IgE抗体(スギ)の血液検査を行います。抗ヒスタミン薬を次回受診日までの日数分(1週間以上)を処方します。
- 2回目受診日:スギ花粉抗原に対する特異的IgE抗体がクラス3以上であることを確認し、抗ヒスタミン薬で効果が不十分なスギ花粉症であると診断された場合に総IgE濃度の血液検査を行います。
- 数日後にゾレアの投与量・投与間隔と自己負担額が決定します(電話または受診時にお知らせします)。その後にゾレアの納入日と患者さんの受診日の調整を行います。
- 上記を行ってからゾレア初回投与になります。
- 投与方法
- 月1〜2回、上腕外側などに皮下注射します。
- スギ花粉症の飛散時期(2〜4月)に3か月投与します。開始は症状発現初期が望ましいです。
- ヒスタミンH1拮抗薬(花粉症内服薬)もゾレア投与期間中に併用します。
- 副作用